黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
そんな私を見て、龍は口を開く。
「お前は、友達をひとりにしないためには自分だけが友達でいるしかない。って言ったな。」
そこで一旦言葉を切り、またつづける。
「なんで自分"だけ"なんだよ。俺が……俺らも友達になりゃいいじゃねぇか。」
その言葉に私はハッとする。
そうか、麗の友達は、私だけじゃなくていいんだ。
どうして、どうして気づかなかったんだろう。
『龍……私は、本当はひとりは嫌だった。いつだって、誰かにそばにいてほしかった。』
「………。」
『でも、麗にお願いされたから。麗がワガママ言ったの、初めてだったから。
ひとりでいると決めたけど………。』
ーー…それでも、寂しかった。
龍は私を抱き寄せた。
私は、ただ涙を流した。