黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
「良かったー。」
「嫌われたかと思ったよー。」
『……ゴメン。』
私が謝ると、みんなは笑ってくれた。
それだけで、許してくれたのが分かった。
「そんでなぁ、鈴ちゃん。」
暁人が話し出す。
「この三日間、みんなで話し合ったんやけど………。」
「僕ら、まだ。」
「友達になれないかな?」
暁人の言葉を引き継いで、双子が私に問いかける。
尚哉は、ジッと私を見つめていた。
不意に、私に昔の思い出が蘇ってきた。
ーーー…「ねぇ、魔法の言葉を教えてあげる!」
私は、笑みを浮かべてみんなを見回した。
そして、みんなに手を差し出す。
『………友達に、なろう。』
ーー…それは、魔法の言葉。
私の言葉を聞いたみんなは、笑顔になって、頷いてくれた。