黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
手紙
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――――…《麗、そちらでも元気でやってますか?
こんな夜遅くに、お墓参りにきてごめんなさい。》
「今から、墓参りに行くぞ。」
『は?』
あれから、部屋に戻ると龍が唐突に言い出した。
『……もう夜ですけど?』
―――…《麗の日記を読み、麗の気持ちを知ってすぐに、私には友達ができました。
……ついでに、彼氏も。》
「俺が行くって言ったら行くんだよ。」
―――…《超、俺様ですけど。》
お墓に着いた私に、龍は手を差し出す。
何だろうと思っていると、龍が持っていたのは私のピアスだった。
『拾って、くれていたんだ……。』
「……たまたま見つけたんだよ。」
―――…《でも、優しいので、大好きです。》