黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】



なんでそんなにビックリしているんだろう。なんて思っていると



「九条さん!」


ポチが私の両手をガシッと握ってきた。



『な、なに。』


「俺、パシりでも下僕でもないんスよね?
弟子でも舎弟でもなく友達なんスよね?」



私はそんな勘違いをされるほどポチにヒドい扱いをしているつもりはなかったんだが……。



しかし、瞳を潤ませながら笑っているのを見ると、何も言えなかった。




「……神谷さん、約束守ってくれたんスね…。」


『え?なんか言った?』



ボソリとつぶやいたポチの言葉が聞き取れず、聞き返すと、「なんでもないッスよ!」と言われた。



とりあえず…、とポチが言う。



「九条さん。“友達”として、よろしくッス!」


『うん……よろしく!』



ま、いいか。と思った。



また、麗に報告することが増えたなー……なんて、嬉しいことを思った。






*fin*

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