黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
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「……き…ろ。」
誰かの声が聞こえる。
なんて言ってるのか分からないから無視する。
「…い……う……きろ。」
再び聞こえた声にイラッとした。
うるさい。
私、眠いの。
すると、今度はかなり大きな声で
「おい!九条!起きろ!」
と、怒鳴られた。
『……ぅあ?』
急にハッキリと聞こえた声に
意識が戻った。
私が顔をあげると、
知らない顔。
制服じゃないから、生徒じゃないんだろうけど。
『誰?』
「あー、お前昨日居なかったもんな。担任の塚原 宏樹(ツカハラ ヒロキ)だ!」
へぇ。
塚原は
黒髪に金メッシュ。
ピアスなんて5、6個付けてるし
着ているYシャツは第3ボタンまで開けている。
指輪とかかなりゴツい。
『教師…?不良生徒じゃなくて?』
なんか凄くここの生徒と同じ不良臭がするよ。
「不良でも頑張れば何でもできる。俺が良い例だ。」
教師が不良って時点で良い例じゃないと思うのは
私だけかな?
というか、やっぱり不良だったんだ。