黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
双子に手を離してもらった後、龍が私の目の前に来て
「チビ猫が解いたのか、この問題」
と、言った。
『チビ猫じゃない。解いたのは私だけど』
少々睨み付けながら(どうせ前髪と眼鏡で見えないから良いんだよ!!)答えると
龍が私をまじまじと見てくる。
なんだろ?
「なんで高2の問題が解けるんだ?」
あぁ、それか。
私は答えようとしたが
「九条は8歳のときにドイツの大学を卒業したんだと」
塚原が答えてしまった。
え、私のセリフ…。
なんでお前が答えるんだ、とか思いつつ
『まあ、そゆこと。』
肯定した。
「へぇ…?」
未だまじまじと見てくる龍。
何だ、そんなに信じられないのかな。
あんま見られても…ねぇ?
気まずいし。
教室から出よっかな、と思い
立ち上がると
「チビ猫、行くぞ。」
『……お?』
龍に首根っこを掴まれ、持ち上げられた。
うわ……浮いてる。
少し首が苦しいんだけど。
え、てか「行くぞ」とか言われても…何処に?