黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
そして龍はそのまま教室から出た。
そのとき
「神谷さんが……。」
「なんであんな地味な奴に……。」
とか、クラスメートが言ってるのが少し聞こえた。
ってか、
『りゅー。降ろしてー。』
私、まだ浮いてるよ。
「別に良いじゃねーか。」
フンッ、ふてぶてしく笑って、と私の意見を却下する龍。
良くねーよ。
苦しいんだって。
学ランの襟が首に食い込むってば。
私は後ろにいる4人に
助けて、と目線で訴えたが
「「龍騎、よっぽど鈴ちゃん気に入ったんだね。」」
「せやなぁ。珍しいコトもあるもんやなぁ。」
「………不思議。」
なんか、子供を見守っている親のような
生暖かい目で私と龍を見ていた。
………役立たず。
しみじみとしている暇があるなら助けてほしい。
切実に。