黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
でも、そっか…。
二人ともどっか行くんだ。
『転勤、一人暮らし……。』
休みの日、昼寝し放題だ。
無表情で、内心ウキウキワクワクしていると(少しは寂しいけどね)
「昼寝は1日3時間!」
母さんに見透かされたように言われた。
『母さん………。ヤダ。もっと昼寝したい。』
休みの日は寝るのが醍醐味だもん。
と、ジーっとお母さんを見つめる。
「うっ…!罪悪感が………。
鈴ちゃんお願い。煮干しあげるから。」
『分かった3時間にする。』
煮干しをくれるなら仕方ない。
即、承諾した。
「ホント猫ねえ………。」
お母さんがしみじみとそう言った。
煮干しは好き。
美味しいし
牛乳が苦手な私にもカルシウム補給ができるし
非常食にもなるし。
煮干しが貰える!とホクホクしていると
「それでね、鈴ちゃん。男装してね?」
と、お母さんがにこやかに言った。
『…男装?』
なんで?