黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
私は被っていたフードを取る。
フードって案外視界を奪うから邪魔なんだよね。
靴の爪先で地面を少し蹴って
『さっさと来れば?』
ちょっと挑発したら、簡単にノってくれた。
「っ、かかれ!!」
あちらの総長の掛け声で、一斉に私に向かってきた。
人数を目算したら…えっと、三十人?
え、あれ、意外と少ない。
これ全員?
両サイドから殴りかかられたので、咄嗟にしゃがめばお互いにぶつかって自滅した敵。
やーい。
ある程度人数が多いと楽だ。
あっちは味方を避けて攻撃しなきゃいけないから。
対して、私は手当たり次第に倒せばいい。
『よっ、と』
「わっ」
「へぶっ」
背負い投げした人を目の前にいた人にぶつける。
いえーい、一石二鳥!
そうこうしてるうちに人数は大分少なくなった。