黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】


ニコニコしたままお母さんは言葉を連ねる。


「だって、【魁皇高校】は男子校だし?理事長の親戚の特権で、女の子として行くこともできたけど、襲われちゃうでしょ?」


男はみんな狼なのよ?
と、お母さんはむしろ楽しそうに言う。


『【魁皇高校】って、超有名な不良校じゃん。』

先に言ってよ、そんな大事なこと。

言ってくれたら承諾しなかったよ…。

でも
私は悪いことした不良を倒す〔黒猫〕として有名だし、
奇襲されたくないから


『男装、するよ。』


仕方ないけど
面白そうだと思った。

つい口角が上がる。


「鈴ちゃんなら、そう言ってくれると思ってたわ!はい、これ♪」


そう言って渡されたのは

『カツラと眼鏡?』


黒髪のボサボサショートのカツラと瓶底眼鏡だった。

…てか、時代錯誤だよ、こんな眼鏡。

今どきどこに売ってんの?





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