黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】



若干ひいている私に気付いてない猫好き不良は言葉を続ける。


「九条さんの人間性に惚れました!」

『あぁ、そっちね。良かった。』


てっきりホモなのかと。
そしてドM野郎なのかと。

本当に良かったよ。
心底ホッとしたわ。


「気高く、人を寄りつかせず、友達のために戦い、そして強い!」


なんか熱く語り出したよコイツ。


「そう、それはまるで………獅子のような迫力でした!」

『…それは良かったね。』


そんな熱く語られても
一ミクロンも理解できないわ。

むしろ理解力がマイナスだ。


猫科最強の名を挙げられても、私の通り名は黒猫だし。

たしかに猫だけど、ライオンほど勇ましくないよ。



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