黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
―――バァン!
龍はドアを蹴破って、屋上へ入った。
『蹴破らなくても。』
「お前担いでるんだから、手ぇ塞がってんだよ。」
だったら下ろせばいいのに。
なんでこの人はいつも私を持ち上げて移動するんだろうね。
なんて思っていると
『ひぎゃっ!』
コンクリートの上に落とされた。
痛い、
背中打ったよバカ龍。
私は屋上を見渡した。
あれ?
みんながいない。
『みんなは?』
と、聞くと
「今日は来ねぇように言った。"2人っきり"で話したいことがあるからな。」
2人っきり、を強調して
妖しげに微笑みながら、龍は言った。
なんか凄く、嫌な予感がするんですけど。