黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
「で、どうする?俺の女になるか、鈴?」
ただでさえ近い顔を更に近づけて言う龍。
『ーーっ!……ならないっ!』
顔を背けながら言うと
「あ?なんでだよ。」
すごい剣幕で言われた。
なんで、って言われてもならないもんはならないんだよ、この俺様っ!、とか言いたいけど
龍が怖いので言えない。
私は必死で理由を考え
『だ、だって、なんで龍が私のこと好きなのか分かんないし!』
顔を背けたまま、そう言った。
すると
龍は私の顔をグイッと動かし
ムリヤリ目線を合わせられた。
そして
「俺は二年前から、お前に惚れてんだよ。鈴。」
強い光を持った灰色の瞳が、私を貫いた気がした。