黒猫 - 迷子の不良黒猫ちゃん - 【完】
「チッ。鈴。」
龍は私の上からどいた。
なので、起き上がって座ろうと
上半身だけ起き上がった私の肩を龍はグイッと引き寄せて
「鈴。俺はお前を――…。」
その言葉を聞いた私は固まった。
――…俺はお前を惚れさせる。覚悟しておけ…。
ただ、身体が熱くて、
心臓の音がうるさかった。
「………誰や?」
暁人の声で我にかえる。
暁人と双子と尚哉は
私を見て呆然としている。
誰や、って……私の顔忘れたのか。
…って、こいつらに顔見せたことなかったよ。