素直になれなくて


すずの教室にはすぐに着いた。


『すず!』

優菜が後ろのドアから叫ぶと、すずは小犬みたいにやってきた。


『優菜!クラスどうだった?うち、友だち出来ちゃった☆☆』

すずは、嬉しそうな顔で話してくる。


え…。
もう友だち出来たんだ…

なんだかショックだった。



『よかったネ!』


……ごめん、
本当はよかったなんて
思ってないんだ…


心から思ってないのに、
"よかったネ"なんて笑顔でいう自分…。


そんな自分が大嫌いだ

素直に自分の気持ちを
伝えられない…


それに心の奥で、ひどいことを考えてしまう。


嫌い嫌い…
変えたいのに、直したいのにダメで…

自分がわからなくなる。

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