NON STOP LOVE



だけど、もう濡れるのは嫌だから
黙って送ってもらうことにした。



「お前、さぁ」

「お前じゃない。美空」

「はっ?」

「わたしの名前。」

「あぁ、‥‥美空はさぁ、なんで雨好きなの?」



ずっと気になってた。
雨好きなやつの理由が聞いてみたくて。



「嫌なこと全部流せるから」

「嫌なこと?」



コクンと頷いてまた話し始めた。



「友達のこと家族のこと好きな人のこと。嫌なこと全部雨で洗い流すの」

「へぇ‥‥」

「あなたの名前は?」

「えっ、あー」

「わたしばっかり名乗ってずるい」

「俺はー、秀太」

「へぇー、秀太。」




なんで、こんな初対面のやつに名前なんて教えんだろ。

いつもは考えられない自分の行動にビックリする。



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