NON STOP LOVE



足に自信のある私は、
とりあえず光啓から逃げ切って屋上にきた。




「捕まったらどうなるか分かったもんじゃない」




ゆっくりと屋上のコンクリートに腰を落とす。


秋はやっぱり寒い。


冷えた手をブレザーのポケットに入れると、

さっき光啓にあげなかった飴が出てきた。




「あげれないよ。これは」




ボソッと呟いて
飴を口に放り込む。


広がる甘みと酸味。



光啓、これ食べたらどうなるんだろ。


想像して、ふふっと笑ってると
目の前には見慣れた足が二本。



気づいた時にはもう遅かった。



「みーつけたっ」



< 32 / 88 >

この作品をシェア

pagetop