NON STOP LOVE
5、滅びゆく世界をただ眺めよう
mituhiro's story
「光君」
「なに?姉さん」
「私・・・結婚するの」
「決まったんだ・・・」
「うん」
姉さんが結婚する。
覚悟を決めてたつもりだけど、思ったよりキツい。
何も言わずに黙っていると、
「光君も・・・幸せになってね」
そう言って去っていく後ろ姿を、ただ眺めていた。
「幸せになんか・・・なれねぇよ」
愛した人が去っていくというのに、
俺はなにも出来ずにいた。
「行くな」って
「幸せになれ」って
なにも言えなかった。
もし、今から伝えられるのならば俺は何を伝えよう。
傷つける言葉?
それとも
祝福の言葉?
どちらにしても、今の俺にはなにも出来ない。
滅びゆく世界をただ眺めよう。
(なにも出来ない無力な僕だから)