途方もない恋








儚くてそれでいて綺麗、けれども脆くて美しい




難しい人だよ






「俺にも、欲があったみたい」



嫌味なんかじゃなく彼はそう言った


そう思うくらい欲も無く、ただ毎日を生きている人だったから





感情すら私は無いように見えた






「嫌で嫌でたまらなかった」



卓哉は嫌悪感を知ったのだろうか?


いやでも、嫌悪感は毎日のように味わってるって言ってたし







「でもね、だから分かった。欲しくて必要で大切なもの」




「そんなに・・・?」




その言葉を聞いたとき、不意に苦しくなった






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