走りだした夢
転勤
2010年ツール・ド・フランスはアルベルト・コンタドールが危なげなく総合優勝をした。ツール・ド・フランス総合優勝3度目。2連覇を達成して幕を下ろした。
ツール・ド・フランスも終わり、一つ楽しみが減ってしまった。でも、一つ楽しみが待っているのだ。そろそろ楽しみの連絡が入ってもいい頃だ。その楽しみとは。まだ言えません。
僕は家を出ると隼人の家に行った。僕の家の戸が開いた音で風太も出てきた。社宅の壁は薄いのだ。結構いろんな物音や声が聞こえてくる。一番笑えるのが、隼人には内緒だけど、隼人の歌が聞こえてくるのが笑える。なぜかというと音痴だから。隼人は音痴のくせに、平井堅やMISIAのような歌唱力のある歌手が好きでだから、歌うと音痴がよけいに音痴なって聞いていられないのだ。本人には言っていないけど、本人はとても気持ちよさそうに歌っているところをみると、どうやら音痴とは気づいていないらしい。
「隼人君」
「今行く」
すぐに玄関が開いた「何?」隼人が顔を出す。
「宿題終わった?」
「終わっているわけないだろう」
「3人で宿題やって終わらそうよ」
「3人じゃあ、心細いって、琴美も誘おうぜ」
僕は早速琴ちゃんに電話をかけた。okの返事をもらい、琴ちゃんの家に行くことにした。
「おじゃましまーす」
プーンと甘いにおいが部屋中に広がっていた。クンクンと犬のように臭いをかぎ、鼻をヒクヒクさせながら「お姉さんのおいしいものを作っていますね」と、風太は琴ちゃんのお母さんを見た。
「ベー、残念でした。私がクッキーを焼いているんです」
琴ちゃんが舌を出して言った。
「なんだ。琴美がクッキー焼いているんだ」
風太は肩を落とした。
「ちょっと、何その態度は。最悪ね。クッキーもあげないし、勉強だって教えてあげないわよ」
3人の頭の良さはドングリの背比べだが、その中で順位を決めるとしたら、隼人、僕、風太の順だ。勉強を教
ツール・ド・フランスも終わり、一つ楽しみが減ってしまった。でも、一つ楽しみが待っているのだ。そろそろ楽しみの連絡が入ってもいい頃だ。その楽しみとは。まだ言えません。
僕は家を出ると隼人の家に行った。僕の家の戸が開いた音で風太も出てきた。社宅の壁は薄いのだ。結構いろんな物音や声が聞こえてくる。一番笑えるのが、隼人には内緒だけど、隼人の歌が聞こえてくるのが笑える。なぜかというと音痴だから。隼人は音痴のくせに、平井堅やMISIAのような歌唱力のある歌手が好きでだから、歌うと音痴がよけいに音痴なって聞いていられないのだ。本人には言っていないけど、本人はとても気持ちよさそうに歌っているところをみると、どうやら音痴とは気づいていないらしい。
「隼人君」
「今行く」
すぐに玄関が開いた「何?」隼人が顔を出す。
「宿題終わった?」
「終わっているわけないだろう」
「3人で宿題やって終わらそうよ」
「3人じゃあ、心細いって、琴美も誘おうぜ」
僕は早速琴ちゃんに電話をかけた。okの返事をもらい、琴ちゃんの家に行くことにした。
「おじゃましまーす」
プーンと甘いにおいが部屋中に広がっていた。クンクンと犬のように臭いをかぎ、鼻をヒクヒクさせながら「お姉さんのおいしいものを作っていますね」と、風太は琴ちゃんのお母さんを見た。
「ベー、残念でした。私がクッキーを焼いているんです」
琴ちゃんが舌を出して言った。
「なんだ。琴美がクッキー焼いているんだ」
風太は肩を落とした。
「ちょっと、何その態度は。最悪ね。クッキーもあげないし、勉強だって教えてあげないわよ」
3人の頭の良さはドングリの背比べだが、その中で順位を決めるとしたら、隼人、僕、風太の順だ。勉強を教