走りだした夢
さんざんやりたい放題をして、迷惑とはよく言えたものだ。
「これあげる」
琴ちゃんが三枚の絵を持ってきた。
風太にはスタートダッシュした時の躍動感ある絵だった。隼人には一番にゴールに入り込りこみ、両手を大きく広げている絵。僕にくれた絵は、ハンドルを投げて必死に勝利を手にしようとしている絵だった。どの絵もみんなカッコ良かった。でも、僕の一番好きな絵はやっぱり自分をモデルに描いてくれた絵だった。なぜ好きかというと、自分をモデルに描いていて、確かに自分に似ている。瓜二つに描いてある。でも、自分ではないように感じる。同一人物とは思えない感じがいい。自分とはまったく関係のない人間だと思えると、勇気や希望をもらえる気がするから。
僕の社宅は4階建て。僕の家は1階にある。その両隣が風太と隼人の家である。一緒に帰る気がなくても、玄関前まで同じ道である。扉の前で三方向に分かれて帰って行く。
「ただいま。母さん額ない?」
琴ちゃんに描いてもらった絵を見せた。
かあさんは押入れから使っていない額を渡してくれた。額の縁をぞうきんで拭いて奇麗にしてから絵を額の中に入れて部屋に飾った。部屋の戸を開けるとちょうど目が合う高さに飾った。
土曜日の夜中起きていたい。その為には、前日の金曜日に極端に早く寝て、夜中の2時か3時に起きて土曜日の昼過ぎまで起きていて夜まで寝るか。金曜日の夜は、通常通り夜8時に寝て、朝も通常通り5時に起きる。そんれから昼過ぎまで激しいスポーツをやって身体を疲れさせて夜まで寝るか。今年のツール・ド・フランス プロローグのレースをどうやってレース中に寝てしまわずに最後まで見るかということを考えていた。
生放送を見ようと試みたのは2年前から。今まで必ず寝てしまう。目が覚めると朝になっていた。と、いうのなら諦めもつこう。ほとんどレース展開を知らずに寝てしまうのだから録画を再生すれば応援もヒートアップする。しかし、目覚めるとちょうど表彰式の模様だったり、起きて目に飛び込んできた映像がゴールラインを通過す
「これあげる」
琴ちゃんが三枚の絵を持ってきた。
風太にはスタートダッシュした時の躍動感ある絵だった。隼人には一番にゴールに入り込りこみ、両手を大きく広げている絵。僕にくれた絵は、ハンドルを投げて必死に勝利を手にしようとしている絵だった。どの絵もみんなカッコ良かった。でも、僕の一番好きな絵はやっぱり自分をモデルに描いてくれた絵だった。なぜ好きかというと、自分をモデルに描いていて、確かに自分に似ている。瓜二つに描いてある。でも、自分ではないように感じる。同一人物とは思えない感じがいい。自分とはまったく関係のない人間だと思えると、勇気や希望をもらえる気がするから。
僕の社宅は4階建て。僕の家は1階にある。その両隣が風太と隼人の家である。一緒に帰る気がなくても、玄関前まで同じ道である。扉の前で三方向に分かれて帰って行く。
「ただいま。母さん額ない?」
琴ちゃんに描いてもらった絵を見せた。
かあさんは押入れから使っていない額を渡してくれた。額の縁をぞうきんで拭いて奇麗にしてから絵を額の中に入れて部屋に飾った。部屋の戸を開けるとちょうど目が合う高さに飾った。
土曜日の夜中起きていたい。その為には、前日の金曜日に極端に早く寝て、夜中の2時か3時に起きて土曜日の昼過ぎまで起きていて夜まで寝るか。金曜日の夜は、通常通り夜8時に寝て、朝も通常通り5時に起きる。そんれから昼過ぎまで激しいスポーツをやって身体を疲れさせて夜まで寝るか。今年のツール・ド・フランス プロローグのレースをどうやってレース中に寝てしまわずに最後まで見るかということを考えていた。
生放送を見ようと試みたのは2年前から。今まで必ず寝てしまう。目が覚めると朝になっていた。と、いうのなら諦めもつこう。ほとんどレース展開を知らずに寝てしまうのだから録画を再生すれば応援もヒートアップする。しかし、目覚めるとちょうど表彰式の模様だったり、起きて目に飛び込んできた映像がゴールラインを通過す