あの夜のこと覚えてる?
初めまして?
「もうさー、あんな男のことなんて忘れちゃいなって!」
「うん…」
「まぁ、そりゃ付き合ってる以上いろいろ耳が痒くなるような台詞いっぱい言ってくれたかもしんないけど、所詮過去のことだよ?もう終わったの!過去のことなの!あんたの運命の相手はそいつじゃなかったってだけのことじゃない。」
「うん…」
「だからさー!そんな風にしょぼくれてたって前には進めないのよ?」
「うん…」
「はぁ…」
目の前に居る親友の奈美は呆れた顔しながらビールを飲んでいる。
どうしようもないことも、もう終わった恋だってことも分かってる。
だけど彼と過ごした2年間はわたしにとっては大きかった。
今までの言葉が全て意味を持たない思い出になってしまったなんて考えたくない。
恋をするのはこれが最後だって、運命の人なんだって、信じていたのに…
結局惚れたが負けなのかな。
恋になんて本気になるもんじゃないのかな。