あの夜のこと覚えてる?
「そういやえりな、仕事うまくいってんの?」
「ん~…普通かな。」
「あっ、微妙なんだ?」
「も~由紀うるさーい!」
「あんたさぁ、現実逃避ばっかしてちゃなんもできないんだよ?」
「分かってるよぉ~…」
「男ってさぁ~…都合良いよね。」
「えりな、どうしたの急に。」
「都合良いのよ、どいつもこいつも…」
ニヤニヤしながら隣のテーブルから様子を伺ってくる二人組みの男を尻目に、大きなため息をついてからえりなは席を立った。
「ちょっとトイレ行ってくる…」
「えりな大丈夫?あんたふらついてるよ?」
「だぁ~いじょうぶー!」
「全くもう…」