Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
後ほど感謝状を彼に、と帰って行く署長をわたしは捕まえた。
「ふぁんたを、弟をご存知なのですか?!」
「彼の父親とは古い友人ですよ。もっとも最後にあいつと会ったのは本人の葬儀の時でしたが・・・」
署長は、あとはファンタ君に聞くようにと微笑み、二人で遊びに来るようにとも言って出て行った。
「かっこいい!出来すぎ!」
樋口さんが興奮した口調で言った。
「ふぁんた君て何者?」
渡辺さんも言った。わたしのほうが聞きたかった。
「明日さっそく権田ママに教えてあげましょう。さっき電話が来て、パーティーのこと喜んでいましたから」
スージーに言われて、わたしはホテルに行く用事を思い出した。