Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
「さあ、少し休んだら出かけようね」
ふぁんたはボーイが運んできた荷物を、ドアの近くからクロゼットに移しながら言った。
「ずっと運転していてよく疲れないわね。わたしなんて助手席でもバテバテなのに」
ベッドに転がったままわたしは言った。
「なに言ってるの、ずっと気持ち良さそうに眠ってたでしょ」
ふぁんたは笑いながら、わたしの腕を取って立たせた。
「僕5日間のスケジュール全部ここに入ってるんだ。毎日資料や地図と格闘したんだよ。任せて」
ふぁんたは自分の頭を指差して、それからドンと胸を叩いた。