Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
「どうしたの?姉さん、大人しいね。わかった!お腹減ったんでしょう」
「おまえはぁ・・・どうしてわたしが静かだとそういう発想になるのよ」
「だって、僕もお腹が減ると悲しくなるもの」
「ふぁんたはお腹空いたの?」
「うん、ちょっとね」
「じゃあ、少し早いけど食事にしようか。この辺りにお店ある?」
「もちろんだよ、さ、どんなのがいい?」
ふぁんたは待ってましたというように、わたしの肩を抱き寄せた。
肩から心臓まで電流が突き抜け、わたしはふぁんたから弾けるように飛びのいた。
ふぁんたはそんなわたしの態度に、慌てて手を引っ込めた。