Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
「ふぁんた、聞きたいことがあるんだけど」
「うん、なあに?」
「カウンターでボランティアしてたとき、嫌なお客さん多くなかった?」
「ぜんぜん、何故?」
「わがままや、理不尽な人たくさんいたでしょう?」
「そうだったかもしれないけど、僕は感じなかった。僕、お客様は家族や親しい友達と思って接しちゃうんだ。だから出来る限り丁寧に教えてあげて、楽しんできてもらいたいと思うの」
「あなたって天使のようなハートの持ち主ね。わたしには真似できないわ、今みたいな態度も」
わたしは少し皮肉をこめ意地悪な口調で言った。