Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―





「それでいいと思う。バンビのたったひとつのつっかえが、今流れちゃったわけだね」



「わたしは、母が死んで悲しかった。寂しかった。辛かった。・・・けど意地でもそんな素振り見せたくなかった。見せたら押しつぶされそうで」



「これからは、僕がいるよバンビ」


ふぁんたはぎゅーっとわたしを抱いた。



わたしたちはそのままずーっとそこにいた。
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