Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
さよならファンタ
ふぁんたの帰国の日がやってきた。
ふぁんたが会社に顔を出してみんなに挨拶をした。
渡辺さんと樋口さんは、鼻水までたらして泣いていた。
ふぁんたはカリフォルニアの住所を配って、遊びに来てねとみんなに言った。
権田ママがスージーの連絡を受けて、会社に来た。
美和は丸山主任に、手紙が入っているらしい封筒を預けてよこした。
ふぁんたが開けてみると、中には妻の欄に自分の名前を書いた婚姻届が入っていた。
日付は4年後になっていた。
「あの子ったらいつの間にこんなものを!!」
丸山主任は真っ赤になって取り返そうとしたけれど、ふぁんたはそれを制止して大事そうにバッグに入れた。
みんなはいつまでも別れを惜しんでいた。