Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
「わたしは、教会の神父をしているフォードといいます」
「あ、思い出しました。祖父母の葬儀の時来てくださった・・・」
わたしはフォードさんの白髪をブロンドにすげ替えて、記憶を呼び戻していた。
―ではこの人が母に親切にしてくれた人だったのか、わたしが私生児として生まれたときにかばってくれたという・・・―
「母が生前お世話になりまして・・・」
わたしは深々とお辞儀をした。