Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
それは ―その頃わたしが高校二年の途中から付き合っていた同じクラスで卒業をし『同じ大学に進もうよ』と言われたけれどわたしは短大を選んでそれでもけっこう頻繁にデートしていたお金持ちのボンボンの― 久志とドライブに行った時に撮った写真の現像を駅前のカメラ屋さんまで取りに行ったときにわかった。
「ちょうどよかった。お母さんから焼き増しを頼まれていたのが出来てるから、一緒に持ってってよ」
カメラ屋のおじさんはそう言って、別にフィルムネガと数枚の写真をよこした。