Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
あの昼行灯のような母から、情熱的な恋などわたしにはとても想像できなかった。
わたしはもしかして、まだ気を失ったままなのだ。馬鹿な夢をみているのだ。
しかし、はっと我に返ると、顔の筋肉を全部使って笑っているふぁんたが見えた。
「一万歩譲って仮にその話が本当だとしましょう。で、いったいあなたが今ここに居る理由は何?」
そうだ肝心なのはその点だった。
「僕はパパの代わりなんだ」
ふぁんたは待ってたかのように微笑んだ。
「は?」