Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
朝日のようにさわやかに
「ねえねえ、変なコがいる」
平日の午前中は比較的ヒマなのだが、今日に限ってはまだ一人の客も来店しておらず、わたしがパーテーションの奥でパソコンと格闘していると、接客カウンターのほうからそんな声が聞こえてきた。
会社の二階の窓からは、新宿通りと明治通りの交差点がしっかり見える。
社の女の子たちが、窓にへばりついて笑っていた。
スージーは気にせずいつも通り隅っこで仕事をしていたし、わたしもキーボードの手をせわしなく動かしながら画面を睨んでいた。