Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
初七日が過ぎ、わたしは再び会社に行った。
ご迷惑をおかけしましたとか香典と花輪をどうもとかわたしが言って、いやいや大変だったねとかご愁傷様気を落とさずにとかを社内の人々に言われ、ほぼ午前中は不幸があった際交わされる判で押したような言葉が飛び交った。
バタバタと葬儀後の後始末に追われ、会社はゴールデンウィーク前の超大忙しで、わたしには人が言う〔初七日を過ぎるとぐっと寂しさが云々・・・〕をとりあえず体験せずともよかった。
しかし四十九日が過ぎても、わたしには寂しさが押し寄せてくることはなかった。