Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
閉店時間になり、みんなはさっさと仕事を片付け始めた。
「みんなぁ、やれば出来るんじゃないですかぁ。残業無しでも!」
スージーが感激の声を上げた。
ふぁんたと言えば、せっせとパンフレットの整理なんかしていた。
「スージーどこ連れてってくれるんですかぁ」
樋口さんが聞いた。
「そうですね。せっかくですから日本料理でしょうね。ふぁんた君に本場の日本料理を味わわせてやりましょう。ねっ、そのほうがいいでしょ?ふぁんた君」
スージーが胸を張った。
「はい、僕スージーに任せます」
うきうきした声でふぁんたがスージーとあだ名で呼んだことに、みんなは吹き出した。
「僕なにか変なこと言った?」
ふぁんたがわたしに耳打ちをし、わたしは「別に」と言って涙目をこすった。