Soft Luck ―ファンタが街にやってきた―
「Excuse me!I’m sorry」
突然ふぁんたの謝る声が聞こえた。
「てめぇ、モテようと思って英語なんて使うんじゃねーよ!日本人のくせしやがって!」
―出た!テレビでよくあるパターンだ―
おおかた女がらみだろうと思った。
「僕はアメリカで育って、だから咄嗟の時は英語になってしまうんだ。ごめん」
「う・・・・大体こんな遊戯プールで真剣に泳ぐなってんだよ!」
サル顔の男が、真っ赤になって怒鳴った。
「ひろしぃやめなよ。あたしがぶつかったんだからさぁ。ごめんねぇ、こいつ自分よりイイ男見ると誰かれなく難癖つけるのよ。・・・つまり殆どの男にね」
彼女が、ふぁんたを見て男とは別な意味で真っ赤になり、ジョークのつもりが動揺からつい自分のボーイフレンドをけなしてしまったみたいだ。
しかし、ひろし君の怒りは増長してふぁんたに向けられた。
「やろう!プールからあがれ!」
ひろし君はメンツを保つために精一杯だった。