Monochrome Hands[BL]
「さようなら」はまだ言えず
そして今。オレはまさに生きるか死ぬかの境目にいた。
最初は用心棒としていた集団を、裏切ると言う形で潰そうとしたら逆に銃で撃たれてこのザマだ。
何とか逃げる事は出来たものの、撃たれた右足と腹は痛いし、これ以上動きたくもない。
崩れかけたビルの壁にもたれかかり、ただ曇り空を眺めていた。
もうすぐ雨が降りそうな、酷く淀んだ灰色の空だった。ああ、オレは死ぬな。
あいつらの目の前で死ぬよりも、誰もいないこの場所で静かに死ねるだけマシかもしれない。
大好きなこの街でひっそり死ねるなんてオレは幸せ者だな。
天国にはいけないだろうけれど。
そう思いながらゆっくり目を閉じようとしたその瞬間だった。
かすかに物音が聞こえ、その瞼を思い切り見開いたのは。辺りを見回すまでもなく、
オレの目の前には十七か十八くらいの、薄い灰色の髪の色の男が立っていた。
細身で色白。貧弱な印象しかなかった。
最初は用心棒としていた集団を、裏切ると言う形で潰そうとしたら逆に銃で撃たれてこのザマだ。
何とか逃げる事は出来たものの、撃たれた右足と腹は痛いし、これ以上動きたくもない。
崩れかけたビルの壁にもたれかかり、ただ曇り空を眺めていた。
もうすぐ雨が降りそうな、酷く淀んだ灰色の空だった。ああ、オレは死ぬな。
あいつらの目の前で死ぬよりも、誰もいないこの場所で静かに死ねるだけマシかもしれない。
大好きなこの街でひっそり死ねるなんてオレは幸せ者だな。
天国にはいけないだろうけれど。
そう思いながらゆっくり目を閉じようとしたその瞬間だった。
かすかに物音が聞こえ、その瞼を思い切り見開いたのは。辺りを見回すまでもなく、
オレの目の前には十七か十八くらいの、薄い灰色の髪の色の男が立っていた。
細身で色白。貧弱な印象しかなかった。