君の音色

4月





ザワザワ――――‥‥




春の暖かい風が吹く中、私はピンクの花びらに身を包まれていた。







この風は、どうやら私の事が好きなようだ…





さっきから、私の髪にイタズラをしては、去ってゆく…





せっかく、憧れの髪形だったのに、それさえも鬱陶しくなってきた。







いっそのこと、切ってしまおうか…






――――――でも…





その前に、目の前の人だかりをどうにかしたい。





一か所に集まるその人だかりは、まるで餌を求めるアリのよう…
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