40センチ



ゆらゆら、ゆらゆら。


空気や全てが心地好い感覚に陥った。

今までの気持ちが浄化されていくみたいに…―。



『好きな人は居るの?』


どこかでそう聞こえるの。


『いるよ』


誰かが答えると、また声が聞こえる。



『それはどんな人?』


優しい優しい声が。



『顔がイケメンで、優しくて、背が高いの』


え…?



『その人は本当に優しいの?』


ねぇ、ちょっと待って。



『優しいよ。少し意地悪だけど、本当はとっても優しい人だよ』


だってそれって、まるで…。



『じゃあ、その人の名前は?』


まるで………。




『その人の名前は―――…』


.
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