想い
お母さんだけじゃなく、何人かの親戚の人も私を“美咲”と呼ぶ人がいた。










だから、私は極力誰にも会わないようにした。会いたくなかった。








“恋嘩”という存在を消されるのにこれ以上耐えられる自信がなかったから。








それからは学校にも行けなかった。いつ、誰がお母さんの前で“恋嘩”って呼ぶかわからないから。お母さんに否定される事が1番辛かったから。






それが今に至る。そしてこの間偶然出会った公平にも私は間違えられた。公平はきっと美咲が死んだ事を知らなかったんだと思う。お葬式の日にも来なかったから。
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