想い
「そんな事したらお前が壊れるぞ。」







「私が壊れたとしてもいいんです。それでお母さんを守れるなら。」







これは本心だった。もう、お母さんの中に“恋嘩”は存在しない。だったら私が“美咲”として過ごしていけばいいだけの話。







「今はそれでもいいかもしれねぇ。けど、お前が壊れた時、お前の母親は“美咲”だけじゃなく“恋嘩”まで失う事になる。」





「でもっ…お母さんから“美咲”を失ったら……」




「それでもお前がいるだろ。」
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