想い
何も言えなかった。確かに大翔さんの言う通りだ。







頭ではわかってはいる。だけど、その勇気が出ないんだ。







「恋嘩。お前は“美咲”の身代わりじゃねぇ。恋嘩なんだ。恋嘩として生きろ。」







その言葉に涙が出た。





もう、何年泣いていなかっただろう。美咲を失ってお母さんに存在を否定されたあの日あらずっと泣いていなかった。






大翔さんは私に勇気をくれた。だからあとは私が頑張るだけなんだ。
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