卒業式の贈り物
-なんか、早いなあ
-え?何が?
-時間経つのがさ、
-あたしもだよ……?
陸と居ると
1日1週間1ヶ月
全部が短く感じる、
「佐藤陸」
ハッ、
昔のこと思い出して
そしたらもう
卒業生呼名になってて
陸の名前を呼ばれたとき
現実に引き戻されて
今まで俯いてた顔も
不思議と前を向いた
ほんとに、
弱くてごめんね?
あなたを忘れた時なんか
一度もなかったよ
「遠藤舞」
『はい..』
陸が呼ばれて数秒
あたしの名前も呼ばれて
その場に立った
「代表、佐藤陸」
陸「はい、」
クラスの代表で
卒業証書を貰ってきて
席に着いた姿を
見た途端
あたしはなんだか
涙が溢れた