御退散
ココは京の都の屋敷の一室。上座に座っているのが父満仲であり、その対面にいるのが頼光である。


頼光:父上。この度、帝より「妖鬼一族」の討伐の宣旨をいただきました。

満仲:うむ。帝から宣旨をいただけるなど、めったにない光栄じゃ。見事、任務をマットウしてこい。して、誰を連れていく!?

頼光:はっ。まずは渡辺綱を連れて行こうかと・・・


渡辺綱とは、満仲の娘婿で、年は頼光より5歳下で剣の腕もピカイチ。おまけに女にみまごうばかりの美少年であった。


満仲:それはよい。綱(渡辺綱)は剣の腕も確かじゃ。あと、わしからも1人、連れていってほしい者がおる。入れ


満仲が部屋の外に向かって声をかけた。すると、障子があけられ、身長1メートル80でがっちりとした体の大男が現れた。


頼光:ぬおおぉぉぉっ!!出たなっ!!妖怪めっ!!この名刀安綱で叩っきってくれるっ!!


頼光の身長は1メートル69,9で約10センチしか変わらないのだが、体つきががっちりしており、横幅もあるためかなりの大男に見えるのである。


満仲:・・・落ち着け。頼光・・・その者はお前の家臣となるものじゃ。名は坂田金時。

頼光:わたしの家臣に妖怪が!?

金時:おいどんは妖怪じゃないでごわすっ!!坂田金時と申します。力なら誰にも負けぬ自信があります。


野太い声で金時が答える。この坂田金時、幼名を金太郎と言い、童話などでおなじみの人物である。武器は持ち手が1メートル30、刃渡り20のオノである。
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