御退散
目玉しゃぶり:しまった!!おのれっ!!こうなれば、完全に煙が引く前に頼光だけでもやるっ!!


煙が徐々に引いて、いくらか視界がひらけたところに、目玉しゃぶりが仕込み杖の日本刀を振りかざし、頼光めがけて振り下ろすっ!!

カラカラカラ・・・

目玉しゃぶりの仕込み杖が頼光を斬る手前で止まる。仕込み杖には鎖が巻きついている。


目玉しゃぶり:くっ・・・なんじゃコレは・・・

季武:鎖鎌だ。元忍のオレにとっては、少しでも視界がひらければ、後は足音や気配である程度の位置は掴める。それに今、お前の日本刀が日の光を受けてキラリと光ったしな。

目玉しゃぶり:おのれ・・・


目玉しゃぶりが仕込み杖を左右に動かそうとするが、鎖で引っ張られているため、自由がきかない。

自由に動くためには仕込み杖を捨てるしかない。しかし、それは同時に唯一の武器を捨てることにもなる。


目玉しゃぶり:こうなれば・・・シャァァァァァァっ!!


目玉しゃぶりが仕込み杖を捨てて、鋭い爪の生えた両腕を上にあげて、頼光めがけて走る。


頼光:てぃやっ!!


スパンっ!!

頼光の名刀安綱が目玉しゃぶりの顔を斜めに斬るっ!!


目玉しゃぶり:ぎぃやあぁぁぁぁぁっ!!


顔を押さえて悲鳴を上げる目玉しゃぶり。
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