時雨の奏でるレクイエム
ティアーズ・クラウン
「ど、どうしてそんなことがわかるの？」

クルーエルは明らかに狼狽していた。

「あの羽飾りを渡したのは俺とディランだ。なんで俺の記憶がないはずのオリビンが『子達』と言う？」

「オリビンと……仲良かったの？」

恐る恐るといった風にクルーエルが上目使いでラディウスにたずねた。
ラディウスは怪訝に思いながらも答えはぼかした。

「ちょっとな」

「……ふうん」

「それより」

ラディウスは話題を断ち切り話を戻した。

「明日のことについて、いくらか話し合いたいことがある」

「わかった。こっちで話そ」

クルーエルはラディウスを招き入れると遮断の結界を慎重に張っていった。
聞かれても視られても困る内容であることは想像に難くない。
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