【キラービー】〜怨霊がさまよう学校で〜
紫流が振った木の棒は窓を強く強打したが窓には傷一つ付かなかった。
紫流 彰
「…いつからうちの硝子はこんなに丈夫になったんだよ。
紫流は苦笑しながら窓を叩いた。
六十地 美月
「…『キラービー』通称アフリカナイズドミツバチ、自分の巣に入った侵入者を感知して防衛本能が働き、逃がさず確実に始末する…それが由来でこの学校の怨霊たちは『キラービー』と呼ばれる。
紫流 彰
「…成る程、俺達は既に『キラービー』のテリトリーに侵入しちまったのか…。
小森 亮
「何を呑気な!!そんな迷信が僕たちは閉じ込めているんですか!?信じない!!信じられない。
小森は紫流の手から乱暴に棒を奪い取り、窓を叩き始めた。
ガン!!ガンガン!!
六十地 美月
「小森君……。
紫流 彰
「ほっとけ、無駄だ。すぐに諦める。
ガンガンガン!!ガン!!
勝又 莉奈
「愛先輩…大丈夫ですか?
愛理は怯えた様子で座っていた。常に天真爛漫な愛理がここまで変化するのは早川だって見たことは無い。
早川 信太郎
「愛理さん、その…本当に見えたんです…か?
愛理は早川に顔を向けた。
佐藤 愛理
「最初…暗闇で見えなかった…でも、月の光が差し込んだら…見えた…泣きそうな顔でドアを押さえてた女の子の顔が……。