今日もアオゾラ、お元気ですか?


「智夏、飲む?ごめんね、紅茶だけど」


「ううん、ありがと」



妃那は自分が持っていた紅茶をくれた。


その紅茶はすごく温かくて・・・安心した。



「あ・・・妃那、何か紙ある?レシートでも何でもいいんだ」


「レシートくらいならあるけど?ほら」


「ありがと。もらうね?」


「いいけど・・・何するの?レシートで役に立つの??」


「うん。何でもいいんだ」



あたしはゆっくりした動作で一羽の鶴を折った。


真っ白で、力強い鶴。


慶悟が1日でも早く治ってほしいと願って。


「あたし、慶悟が治ったら今度こそガーデンカフェに行くんだ。そこであたしは慶悟に大好きって言うんだ。あんまり言ったことなくて・・・言いたいの。何があっても」


退院して、好きって言って、同じ大学に合格して、結婚して・・・


子供2人くらいつくって、幸せに暮らしたい・・・



でも、現実はそう簡単に叶えさせない。



「今川さんのご家族の方ですか?」


「あ、家族の代理ですけど・・・慶悟くんは?」


「今川さんは検査の結果、緊急手術を行うことになりました。詳しくはお教えできないのですが・・・家族の方に連絡とれますかね?」


「すいません!!!今川慶悟の母です!!」


慶悟のお母さんが、息を切らして待合室に来た。
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