今日もアオゾラ、お元気ですか?

「ねぇ智夏、あたしにはどの資料がいいとか分かんない」



「そんなの、あたしだってそうだから。みんなわかんないんだよ」



「そ―なんだ―・・・」



「って妃那、だからって自分の持って来た小説読むとかありえないし・・・」




ヴ―ヴ―・・・



「妃那、またケータイ持って来たの?」



あたしは先生にハバレない程度に言った。




「持ってきてないよ。そういう自分どうなの?」




「へ?・・・あ・・・っと、ごめん、あたしだ」




そうだった、人の事言えないじゃん。



本に夢中で気づかなかった。




それにしても珍しい。



こんな時間帯に、誰からだろう・・・。





あたしはメールの差出人に目をこれでもかって程に開いた。




『慶悟』






うっそ――・・・
< 96 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop