姫様と7人の王子様
「うっそ?!だって俺だよ?!」
「そんなうまい話があるわけないじゃない」
「NOOOOOOOOOOOOOOOOO!!Jesus!!!!!」
体全体でorzという記号を大げさに作り、そのまま地面に倒れる。
いや、彼にしたら大げさではないのだろうが、しかし彩鈴は惚れなかった。
「じゃあ、授業があるので」
床に倒れこむ白夜を少々チラ見し、彩鈴は保健室を後にした。
「要ぇぇぇ・・・ショックだよぉ・・・」
「要先生と呼びなさい」
「人生で初めてだよ、こんなの。プロダクションに所属してから今まで、落とせない女はいなかったのに」
「確かに白夜は百発百中で女性を射止めました。・・・しかし、それは白夜、あなたが“芸能人”だから惚れたんじゃないんですか?」
その言葉に白夜は体を起こす。
「それ、どういうこと?」
「簡単に言いますと・・・。白夜は生まれつき顔立ちがいい、それは認めます。
あげくあなたのスペックは芸能人でアイドル。元々の容姿と高スペック、この二つがあなたがモテた要因です」
「スペックって・・・。先生、もしかしてネット廃j「ですが、彼女は芸能界を知りません。つまり彼女から見たあなたは、イケメンのチャラ男、という印象でしょう。ただのDQNです」
「いや、だからDQNって、絶対先生2チャンネr「スレを立てるとするならば【笑】DQNからみつめられたら俺に惚れるって言われたwwwwテwラwワwロwスwwwwww【DQN】っていうふうなスレが立ちますね」
「スレって・・・先生ってVIPP「だから彼女を落とせれば・・・あなたもいっちょまえってことですかね」
「いきなり話変わったな・・・。つーか、なんでそうなんの?」
「彼女を落とすことができたなら・・・。彼女はあなたを人間として好きになったということですよ。今までの女性は芸能人としてあなたを見てきました。しかし、彼女は違います。白夜を、白夜のまま愛してくれるでしょうね・・・・・・」
「そっか、つまり・・・・・・」
白夜は親指と人差し指を顎に付け、そしてペロリと舌なめずりした。
「つまり、彩鈴を落とせれば・・・俺はパーフェクトってわけか・・・」
「白夜、そうは言っていませんよ。それはあなたの根本的なものが・・・「よぉしっ、クラスに行ってきまーす!」
白夜はスキップしながら保健室を出て行った。
「やれやれ・・・困ったものです。しかし、・・・・・・」
要は机に肘をつき、置いてあった飴を口の中に放り投げた。
「この学園・・・少なくともブラロズには良い刺激かもしれませんね・・・」
要は怪しげな笑みを浮かべたのだった。